空木岳 ヨナ沢ノ頭まで
2015-01-01
2014年12月30日(火)~2015年1月1日(木) デイジーとしんちゃんこの年末年始は全国的に天気が悪く、いつ山に行こうか決めかねていた。
天気図とにらめっこの日々が続き、山頂アタックの日がそこそこ良さそうな日ということで、この三日間に決めた。
しかし、それでも12月31日は3000mで風速25mとなっている。そしてその夜から大寒波。
状況判断は早めに的確に、そんなことも今までの経験が役に立つのだろうか。
以前から行きたかった空木岳。
猛烈なラッセルが待っている予感。
また、山好きな者しか入らない山域か
どっぷり山に、という気持ちでここに行く。
12/30 940m駒ヶ根高原スキー場P8:10 ~ 1910m辺りテンバ14:30 終日雪 風は時々強い
12/31 テンバ7:55 ~ 2342mヨナ沢ノ頭11:20 ~ テンバ14:40 早朝晴、次第に曇りから雪 風強い
1/1 テンバ7:50 ~ スキー場P12:05 終日雪かなり降る 風は少し弱まる
12/30
スキー場の上の駐車場に停めた。同じころ女性2人パーティも。
今日は2パーティ?
登山口には2日ほど前のトレースがあって助かる。
歩きだしてほどなく、デイジーが「車をロックしてきたかわからんから見てくる」と。戻ってきてかかってなかったという。戻って良かった。

すぐ横をゲレンデが見え隠れする樹林の中を歩く。雪は10㎝位か。

三本木地蔵なそうな。

林道を横切りながら登山道をあがって行くとトイレがあった。ちょっとびっくりだった。
ここに来る途中、5人のパーティとすれ違った。
2日前に入って昨日山頂に向けて行ったそうだ。
しかし小地獄辺りで引き返したそうだ。ルンゼが悪いと言っていた。

ここから急な登りになって振り向くとトイレと東屋のあった台地が見えその向こうに町が見えた。

歩きやすい雪道をジグザグに登って行き“野生動物観察棟”を通り過ぎ、さらに登って行くと池山山頂だった。

池山を越えて緩やかに2P乗り越えて降りて行くと池山小屋があった。
トレースに助けられて来たが、意外だった。
池山小屋は山腹にあるので行かず尾根道で池山を越えて行くのかと思っていた。
私の持っている25000の地図には小屋は山の南にある。でもここは池山の南西にあるピークの直下ではないか。
まったく情報不足なんだろうけど、池山小屋は移動していたんだ。しかも、8年位前に来た時もここにあった。

ここから南に向かって急な斜面を登った。
途中でワカンを付けて登った。トレースはあるものの、潜る潜る…
急登が終わった辺りで2人組の女性が整地していた。
私達はもう少し進めて風の弱そうなところを探そう。

林の中でも時々突風が吹くが、まだ風が少し弱い。
ここからほどなくして尾根に出るのだが、猛烈な風が吹くので、少し戻ってテントを張ることにした。
新雪なのでなかなか整地できないけど、ま、こんなもんですか

およそ40分かかって完成。もう指も顔も冷たい!

今夜は豚シャブなんだけど持ってきた肉がこの寒さでやや凍っている。
おなかに入れて解凍(*_*)
ストーブを消すと途端に冷気が襲ってくるので、消せない。
お水を作って、豚シャブを食べて、焼酎を飲んだら、もう寝るだけ。
風はビュービューゴーゴー言ってます。
もう、明日は無理かなぁと思ってしまうくらい。
12/31
テントはしっかり縛ってあるので心配はなかった。
しかしよく吹いた。
テンションは下がっているので起きるのも遅い。
5時半に起きて雑炊を食べていたら、6時半頃近くの尾根を歩く声が聞こえた。
男性の声だったので、2人組女性の他に1パーティ入っているのかな。避難小屋から?
さて、私達も行きますか。風は強いけど今のところお陽様も出ている。

昨日のトレースは全く消えてしまっていて、尾根に出るまではラッセルだった。
尾根に出て先行者のトレースがあったのでそれに乗っかる。
ここは“尻無”というそうだ。

マセナギ辺りから雪庇の向こうに南駒ケ岳方面が見える。

この辺りからワカンをアイゼンに替えた。
右の展望は樹林で隠れているけどぼんやりと檜尾岳方面。しかしガスがかかっている。

橋を渡る。大地獄に入った。



ここまでは鎖が出ているし慎重に行けばそれほど危険ではないようだ。
小地獄辺りの上のルンゼを登ることになるのだが、ここは注意だ。
斜度のあるルンゼを2つほど、手がかりも足掛かりも少なくて雪が不安定なため、慎重に素早く抜けなくてはいけない。
そしてその後に斜度があるルンゼをトラバースしながら最後の2m程は壁になっていた。
まだ登りだったのでなんとかクリア。
迷い尾根をやり過ごしていく夏道にはまわらず直接尾根に取りついたようだ。

痩せ尾根を行き

樹林の中をひたすら登ると

パァ~と視界が広がる。
うんざりするほど遠くに空木がガスの中にあった。
まだ時間は11時半前。でも山頂は猛烈な風とガスの中。
もう少し行っても、ここで引き返しても同じ。
いや、あのルンゼを越えなくてはいけないから、余力を残して今引き返した方が賢明だろう。

痩せ尾根を引き返し

30mロープをダブルで使って3ピッチ。まずはルンゼを1ピッチめ

途中の立木で切って2ピッチめ

3ピッチ目は半マストで懸垂

最後のチムニー状の下りはシュリンゲを立木にかけながら降りた。
そこで若者4人のパーティとすれ違った。
今日は避難小屋辺りまで行くようだ。すごい…大丈夫か…
その後は大地獄を過ぎ樹林を延々と降りた。

マセナギから見た南駒方面。すっかりガス。

休憩していたら、女性1人と男性2人のパーティが降りてきた。
2415辺りまで行って引き返して来たそうだ。2人の女性のパーティも同じころ引き返したそうだ。

テントに着いたら14:40だった。
雪が降り出していてテントに飛び込んだ。
その夜は雪がテントをたたく音がしばらく続き、そのうちしなくなった。相変わらず風は唸っていた。
1/1
あけおめ!
と、いうことで、雑煮です。

雪は相変わらず降ってます。テントにも積り、山の中も積り、トレースは全くありません。
テントは中からの蒸気と寒気でフライと本体がくっついてしまってます。

樹林の中はラッセルがすごいので尾根に上がりました。

途中から行きすぎたので戻って尾根を登ります(下りのテンションで登りはきつかった)

途中から樹林の中を、結局ラッセルして降りて行くと今朝登ってきた人だろうトレースにあって小屋まで行きました。

再び下りモードのテンションに登りで池山まで登ります。

その後はワカンのまま、うんざりするほど下って
駐車場まで来ました。
私達の車の前に、雪だるま (*_*)
なんか、うれしい

山頂まで行けなかった今回の山行
でも充実してました。
雪山どっぷり
ほんとに、雪の山に行けて良かった。
危険回避して途中までだったけど、いろいろな経験ができた。
その日、多くの山で多くの方が遭難に合われたことを後で知りました。
北アルプスも南アルプスも、空木と同じだったかはわかりません。
死なずに山を降りることが一番大事なことだと思います。
亡くなられた方においてはご冥福をお祈りいたします。
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